障がい者グループホーム入居条件ガイド｜利用できる人・申込から入居までの流れ

2025年6月13日 2025年6月13日スタッフ森

スタッフ森

障がいのある方々が地域で自立した生活を送ることを支援する「障がい者グループホーム」。

しかし、「どんな人が利用できるの？」「どうやって申し込むの？」「費用はどれくらいかかるの？」といった疑問や不安をお持ちの方も少なくないのではないでしょうか。

この記事では、障がい者グループホームの入居条件から、具体的な申込方法、費用、そして入居後の生活まで、知っておきたい情報を網羅的に解説します。

障がい者グループホームの利用を検討しているご本人やご家族が、安心して新しい一歩を踏み出せるよう、分かりやすく丁寧にご説明します。

障がい者グループホームは、国が定める障害福祉サービスの一つであり、障がいのある方が地域社会で自分らしく生活するための重要な支援拠点です。このガイドが、皆さまの疑問を解消し、より良い選択をするための一助となれば幸いです。

この記事でわかること

この記事では、障がい者グループホームに関する以下の情報を詳しく解説します。

障がい者グループホームに入居できる人の具体的な入居条件
入居することのメリットとデメリット
申込から入居までの具体的な流れ
グループホームにかかる費用とその内訳

これらの情報を得ることで、障がい者グループホームの利用を検討する際の判断材料として役立てていただけることでしょう。

1. 障がい者グループホームに入居できる人とは？

障がい者グループホームの入居条件は、主に以下の点が挙げられます。

主な対象者：障害者手帳をお持ちの方

障がい者グループホームは、基本的に障がい者手帳（身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳）をお持ちの方が対象となります。ただし、手帳がなくても、精神科医の診断書などによって継続的な障害福祉サービスの必要性が認められる場合も、市町村の判断により利用できることがあります。この点は、お住まいの市町村の障がい福祉担当窓口に確認が必要です。

障害支援区分による違い

障がい者グループホームの利用にあたっては、「障害支援区分」が関係してくる場合があります。障害支援区分とは、障がいのある方がどの程度の支援を必要とするかを示す区分で、区分1から区分6まであります。

障がい者グループホームは、原則として区分2以上の方が対象とされていますが、市町村の判断やグループホームの種類によっては、区分1の方でも利用できる場合があります。特に、精神障がいや知的障がいのある方で、ある程度の自立した生活が見込まれる方は、区分に関わらず利用可能なケースも存在します。

精神疾患・知的障がい・身体障がいなど、障がいの種類による条件

障がい者グループホームは、障がいの種類を問わず利用できるのが一般的です。

精神障がいのある方: 精神科に通院されており、病状が安定している方が対象となります。服薬管理や生活リズムの調整などの支援を受けながら、地域で生活を送ることが可能です。
知的障がいのある方: 日常生活動作（食事、入浴、着替えなど）や金銭管理、コミュニケーションなどに一定の支援が必要な方が対象です。共同生活を通じて、社会性の向上や生活スキルの習得を目指します。
身体障がいのある方: 身体障がいにより日常生活に一部介助が必要な方が対象です。バリアフリー化された施設や、必要に応じて介助サービスが提供されるグループホームがあります。

近年では、複数の障がいを併せ持つ方（重複障がい）や、発達障がいのある方の受け入れにも力を入れているグループホームが増えています。それぞれのグループホームによって、受け入れ可能な障がいの種類や支援体制が異なるため、事前に確認することが重要です。

医療的ケアが必要な方の受け入れについて

医療的ケアが必要な方の場合、グループホームの受け入れ体制は施設によって大きく異なります。喀痰吸引や経管栄養など、特定の医療的ケアが必要な場合は、看護師が常駐している、または訪問看護ステーションと連携しているグループホームを選ぶ必要があります。全ての障がい者グループホームが医療的ケアに対応できるわけではないため、この点も事前に確認が必要です。

2. 障がい者グループホーム入居のメリット・デメリット

障がい者グループホームの利用を検討する際には、そのメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。

メリット

障がい者グループホームに入居することで得られるメリットは多岐にわたります。

専門スタッフによるサポート: 生活支援員や世話人などの専門スタッフが、日常生活のサポート、服薬管理、金銭管理の相談、就労支援、医療機関との連携など、幅広い支援を提供します。突発的な体調不良や困りごとがあった際に、すぐに相談できる相手がいることは大きな安心材料となります。
共同生活を通じた交流・社会性の向上: 他の入居者との共同生活を通じて、コミュニケーションの機会が増え、新たな人間関係を築くことができます。共同生活のルールを守りながら、他者と協調して生活する経験は、社会性を育み、孤立感の解消にも繋がります。
自立した生活への移行支援: 将来的に地域でより自立した生活を送れるよう、就労支援機関との連携、金銭管理のトレーニング、公共交通機関の利用練習など、個別に応じた支援計画に基づいてサポートします。
安心・安全な生活環境: バリアフリー化、緊急通報システム、夜間スタッフの常駐または緊急時駆けつけ体制、地域の医療機関との連携など、安全面への配慮がされています。

デメリット

一方で、障がい者グループホームにはデメリットも存在します。

共同生活ならではの制約: 生活時間帯や共有スペースの利用ルール、食事の好みなど、ある程度の制約が生じる可能性があります。プライベートを重視したい方にとっては窮屈に感じるかもしれません。
プライバシーの確保: 個室はありますが、リビングや浴室、トイレなどは共有となるケースがほとんどです。完全にプライベートな空間を確保することが難しいと感じる方もいるかもしれません。
費用負担: 家賃、食費、光熱費、日用品費などが主な内訳となります。障害福祉サービス費の自己負担分は減免されることが多いですが、その他の生活費は自己負担となるため、経済的な負担を考慮する必要があります。

3. 障がい者グループホーム入居までの流れ

障がい者グループホームへの入居は、いくつかのステップを経て行われます。ここでは、具体的な流れを解説します。

ステップ1：情報収集と相談

最初のステップは、情報収集と専門機関への相談です。

地域の障がい福祉窓口や相談支援事業所への相談: お住まいの市区町村の障がい福祉担当窓口や、指定特定相談支援事業所に相談しましょう。利用者の状況やニーズに合ったグループホームを探す手助けをしてくれます。
インターネットでの情報収集: 各グループホームのウェブサイトや、障がい福祉サービス情報サイトなどを活用して、所在地、施設の雰囲気、提供されるサービス内容、費用などを事前に調べておくことも有効です。

ステップ2：見学・体験入居

候補となる障がい者グループホームが見つかったら、実際に施設を訪れてみましょう。

施設見学のポイント: 施設の雰囲気、スタッフの対応、居室や共有スペース、提供されるサービス、立地環境、緊急時の対応体制などに注目しましょう。
体験入居のメリット: 実際の生活リズム、スタッフや他の入居者との相性、入居後の生活への不安解消など、体験を通じて確認できます。

ステップ3：申請・契約

グループホームの利用を決めたら、正式な申請と契約手続きに進みます。

利用申請に必要な書類: 障害福祉サービスの利用申請は、市区町村の障がい福祉担当窓口で行います。障害者手帳、本人確認書類、住民票、所得証明書などが必要となります。
重要事項説明と契約内容の確認: 利用するグループホームと契約を締結する前に、「重要事項説明書」の説明を十分に理解し、疑問点があればその場で質問して解消しましょう。

ステップ4：入居決定・生活開始

全ての準備が整い、いよいよ入居です。

持ち物の準備: 衣類、日用品、個人の趣味に関するものなど、必要な持ち物を準備します。
新しい生活のスタート: 入居後は、グループホームのスタッフが新しい生活に慣れるためのサポートをしてくれます。不安なことや困ったことがあれば、遠慮なくスタッフに相談しましょう。

4. 気になる費用について

障がい者グループホームの利用には、いくつかの費用が発生します。これらの費用は、国や自治体からの支援制度を活用することで、負担を軽減できる場合があります。

利用料金の内訳（家賃、食費、光熱費など）

障がい者グループホームの利用にかかる費用は、主に以下の項目に分けられます。

障害福祉サービス費の自己負担分: グループホームで提供されるサービスにかかる費用で、原則1割が自己負担ですが、所得に応じて上限額が設定されています。
家賃: 地域や施設の設備、立地によって異なり、原則として自己負担です。
食費: 食事の提供がある場合にかかる実費です。
光熱水費: 電気代、ガス代、水道代などの実費負担です。
日用品費: 共用・個人で使用する日用品の費用です。
その他: 医療費、交通費、お小遣い、レクリエーション費など、個人の状況や活動内容によって発生する費用です。

契約前に、必ず費用の内訳と総額をしっかりと確認しましょう。

家賃補助・助成金制度の活用

障がい者グループホームの家賃負担を軽減するための制度として、「家賃助成（補足給付）」があります。これは市町村が実施している制度で、所得の低い方を対象に、家賃の一部を助成するものです。申請方法や条件については、お住まいの市町村の障がい福祉担当窓口に確認が必要です。

生活保護との関係

生活保護受給者の方も、障がい者グループホームを利用することができます。生活保護費の中から、家賃、食費、光熱水費などが支払われ、障害福祉サービス費の自己負担分も生活保護の扶助で対応されるため、原則として自己負担は発生しません。

まとめ：障がい者グループホームで新しい生活を

障がい者グループホームは、障がいのある方が地域社会の中で、自分らしく、そして安心して生活を送るための重要な障害福祉サービスです。この制度は、単に住む場所を提供するだけでなく、専門的な支援を通じて、入居者の自立を促し、社会参加の機会を広げることを目的としています。

この記事では、障がい者グループホームの入居条件、メリット・デメリット、そして入居までの具体的な流れ、気になる費用について詳しく解説してきました。

自分に合ったグループホームを見つけるために

数ある障がい者グループホームの中から、ご自身やご家族に最適な場所を見つけるためには、以下のポイントを参考にしてください。

障がいの種類や特性に合った支援体制か: ご自身の障がい特性や必要なサポート内容に合わせたグループホームを選びましょう。
施設の雰囲気とスタッフとの相性: 見学や体験入居を通じて、施設の雰囲気やスタッフの対応を直接確認することが大切です。
立地環境: 医療機関へのアクセス、スーパーなどの買い物施設、公共交通機関の利便性など、生活する上での利便性も考慮しましょう。
費用と補助金制度: 家賃、食費、光熱費などの総費用を確認し、利用できる家賃補助や助成金制度がないか、市町村の窓口に相談しましょう。

まずは相談から始めましょう

障がい者グループホームへの入居は、人生の大きな転機となるかもしれません。不安や疑問を感じるのは当然のことです。

一人で抱え込まず、まずは地域の障がい福祉窓口や指定特定相談支援事業所に相談することから始めてみてください。専門の相談員が、あなたの状況や希望を丁寧に聞き取り、最適な障害福祉サービスの利用に向けてサポートしてくれます。

この記事が、障がい者グループホームの利用を検討している方々にとって、一歩踏み出すための確かな情報となり、明るい未来への扉を開く一助となることを心より願っております。

投稿者プロフィール

スタッフ森: スマイルハウスのスタッフ森です。施設内の様子など定期的に投稿していきます。